3.規格外、不良品が多く出る-生理障害

生理障害というのがある。作物の生理に障害が出ることを言う。例えば10アールを栽培したとして、すべてに生理障害が出るということはほぼないと思う。出たり出なかったりという場合が多いのである。そのために生理障害と判断されることが少ない。奇形や規格外が多いというのは明らかに生理障害なのである。多いといっても収穫量の10~20%ならいつもの年と変化はないで片付けられてしまうのが通例である。例えば温州みかんの浮き皮なども生理障害と言えなくもない。これを生理障害と判断する生産者は少ないと思う。病害、虫害、連作障害よりも分かりにくいのが生理障害である。生理が狂うということは、作物として順調な生長を欠いているということである。生育不良、生長不良ということになるのである。ここから問題が大きく拡大していくことも珍しくない。要注意な障害であ

生理障害の原因

生理障害の原因は根にある。なぜ根にあるのか。そこが重要なのである。根の吸収力というのはコントロールが効かない。もう十分だということはないのである。これに対して光合成は気孔から吸収できる量は一定している。量を超えると気孔は閉じる。その証拠に長時間雨が降ったからといって葉だけ大きくなることはないのである。ここに自然の働きということを考えなくてはいけない。根はなぜ吸収量をコントロールできないのか。自然の中で育つ植物は常にバランスが維持できている。ところが人間が作物を育てようとすると無理をする。自然のバランスを無視して栄養を与える。これが生理障害が発生する最大の原因である。自然のバランスに戻してやれば障害は自然消滅する。

解決への道すじ

生理障害は収穫量の何%になるのか。ここがとても重要なのである。ところが、奇形や規格外を計量する人はほとんどいない。正確なデータは0に等しい。そんなもの売り物にもなんにもならないのだからサッサと片付けで終わってしまう。奇形がどれくらいで規格外の大きいのがどれくらいで小さいのがどれくらいなのか、正確に計量しなくてはならない。また、栽培地のどこから出たのかも写真を撮ってデータとして残さなくてはいけない。まず自覚することが第一である。そして奇形や規格外が全収量の5%を超えたら対策が必要になってくる。

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